2019.04.30

3人で笑いをとってるのが楽しいから、僕らは演劇を続けている。劇団スポーツのこれまでとこれから。

3人で笑いをとってるのが楽しいから、僕らは演劇を続けている。劇団スポーツのこれまでとこれから。
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若い劇団の出現は、いつもワクワクする。劇場に通う者にとって、新しい才能との出会いは、未知の宝箱を開けるようなものだ。そして今、そんな胸の高鳴りを最も強く感じさせてくれる団体が、劇団スポーツだ。
と言っても、彼らは舞台の上で何かカッコよく決めるわけじゃない。実験的な試みに富んでいるわけでもなければ、既成概念を取り壊すような新しい何かを生み出すわけでも、どうやらない。
ただ、2時間目と3時間目のあいだの休み時間のように、ちょろっとふざけて、面白いことをして、くすっと笑わせて、照れ臭そうにいなくなる。そういう愛すべきやつなんだ、劇団スポーツは。
旗揚げは2016年。今のところ、まだ学生劇団。ここからどうなるかは、たぶん本人たちも、よくわからない。とにかく今は、シンプルに面白いことがやりたい。それだけ。そういうところも含めて、やっぱり愛すべきやつだ、劇団スポーツ。

内田と田島。ふたりが出会って、劇団スポーツは始まった。

劇団スポーツの出発点は、脚本・演出を共同で務める内田倭史と田島実紘の出会いから始まる。ふたりは法政大学文学部哲学科の同級生だ。

哲学科ってみんな本当に友達ができなくて留年していくんですよ。

すごい偏見(笑)。全国の哲学科に謝ってほしい。

いや(笑)、うちの教授が本当にそう言っててですね。

それで、そういうのをなくすために入学してすぐ合宿に行かされるんです。

2泊3日ぐらいで。大学が持ってる山梨のコテージまで。

で、そういうのって夜になったらみんなで遊んだりするじゃないですか。面倒くせえなと思いながら顔を出したら、すっげえイチャイチャしてて。うわ、これが大学生かと思いました…。

大学入りたてのパリピ感ってキツいですよね…。

それで大丈夫かなと思いつつ、ソファーに座ったら、横で筋トレしてたのが内田でした。

なぜ筋トレ。

いや、なんでかわかんないんですけど、アメフト部の友達ができて、それで盛り上がって…。

もう出会い頭でツッコみましたから、「お前、何やってんの?」って。


小動物的な愛され感が全身からにじみ出る内田と、低音イケボに脱力系の雰囲気が印象的な田島。大分県と東京都。それぞれ生まれも育った環境もまったく違うふたりは、何の縁か共に同じ演劇サークルに入部することとなる。

最初、僕はせっかく東京に来たんだし、面白いバイトをやりたいなと思ってたんですよ。で、見つけたのが映画のエキストラ。そうか、東京にいるとバイトで映画に出れるんだって浮かれポンチなことを考えまして。そんなときに、学内に演劇サークルがあることを知って入ってみようかなと。

それまで演劇の経験は?

ないです。ずっと剣道しかやってこなくて。演劇って言ったら吉本新喜劇しか知らなかったです。

逆に僕は大学に入ったら絶対演劇をやりたいと思ってたんですよ。中高はバリバリのバスケ部だったから、大学ではバスケを辞めて演劇をやるぞと。

何で演劇をやりたいと?

中1の文化祭で脚本を書いたんですよ。そしたらそれがめちゃくちゃウケて。以来、高3までずっとクラス劇の脚本は僕が書いていました。それが楽しかったっていうのがいちばんですね。

演劇サークルに入ったふたりは、新入生のお披露目公演でコントライブを行った。この初舞台で喝采の快感を得て、一気に演劇の道に…というわけではないのが、このふたりらしさ。その後の演劇サークルでの活動は尻すぼみとなり、内田は外部に活動の場を求め、大学2年のときにカムカムミニキーナ、ポツドールらを輩出した早稲田大学演劇倶楽部(通称エンクラ)へ入部。一方の田島はバイト三昧ですっかり演劇とは遠い生活を送っていた。

東京に出てきて、いちばん面白かったのが田島だった。

それが何でまたふたりでやることに?

僕の入ったエンクラというサークルは本公演がなくて。新人公演が終わった後は、基本的に自由活動。それぞれ気の合った人間でユニットを組んで劇団化していくっていうシステムなんですよ。だから公演を打つには仲間を集めなくちゃいけなくて。

それで僕のところに電話がかかってきたんです。

ふたりは大学1年のときのコントライブ以降も仲良かったんですか?

そんなことはないです。ほとんど会ってなかったし。

試験期間になったら一緒に勉強するぐらい。

それ、友達というよりほぼ他人ですね。

ほぼ他人です。

(笑)。なのになぜ内田さんは田島さんに声を?

何でだろう…。はっきりとした理由はあんまりよくわからないですけど、単純に東京に出てきて知り合った人たちの中でいちばん面白かったのがこの人だったんです。だから、面白いことを一緒にやるなら田島だろうと。

正直、めちゃくちゃ嬉しかったです。僕の中でも内田がいちばん面白いと思っていたし、何か一緒にやりたかった。

だからふたりでやろうって決めたその日のうちに小屋を予約しました。

行動が早い!

いや、そうでもしないと絶対にやらないだろうと思ったから(笑)。でも、外の小屋をとったはいいものの、ノウハウが本当にゼロで。

そうそう。小屋もてっきり審査でもあるのかと思ったから、あっさり取れちゃって逆にビックリみたいな。

スタッフさんに「下見、いつにしますか?」って聞かれたんですけど、そもそも何を下見したらいいのかもわからないっていう。

何見ていいのか全然わからなかったので、とりあえずスタッフさんの説明を聞きながら「フムフム」ってわかったような顔して頷いていました(笑)。

仕込みとかヤバかったですから。友達集めて男4人で小屋入りしたんですけど。美術はタクシーに乗っけて搬入して。スピーカーから音が出ただけで「音出たぞー!」ってはしゃいで(笑)。

「勝ったぞー!」って感じだった(笑)。外の劇場でやるのは僕も初めてだったんで、「ま、幕ってどう吊るんだろう…」って戦々恐々しながらやってました。

嘘をつきたくなくて一生懸命やってることが面白いことに気づいた。

面白いことをしたい。そんなわかりやすいモチベーションでスタートした劇団スポーツは第1回公演『墓とバナナ』をまずまずの手応えで終え、勢いそのまま所属していた早稲田大学演劇倶楽部の企画公演として『悲しみの爆転リキッド外伝〜嘉永六年のメリイ・クリスマス〜』を上演。

しかし、何を思ったかここで時代劇に挑戦し、自他共に認める「大スベリ」で終了。悔しさに火がついた内田と田島は「今度こそ自分たちらしいコメディを」と気持ちを新たに次なる公演に挑んだ。

それが、2017年5月に上演した『鹿、刺さる。』。鹿が刺さって死んだ女の真相を解くシュールなワンシチュエーションミステリーコメディだ。

目指したのは『名探偵コナン』のパロディ。フライヤーの「真実は、いつもひとつなんて傲慢だ。」というキャッチコピーに、ちょっと世をナメたセンスが光る。

サスペンスをやりたかったんですけど、本格的なトリックとか僕らのレベルで考えたって無理。だったらその厳しさも含めてコメディにしようと。

要は、最初にでっかい鹿の剥製が上から落っこちてきて、それが女の子に刺さって死んじゃう話です。

(いろいろひどい)。

一応、アリバイを利用したトリックがあるんですけど。

ギターのCコードを弾いたらピタゴラスイッチみたいに仕掛けが動いて、それで鹿が落っこちるっていう。で、女の子を殺したい男の子が何とか一生懸命ギターのCを教えるんですけど、女の子が下手で鳴らせないっていうコメディでした。

その鹿が落ちてくる仕掛けも、お金も技術もないから人力でした。すごい無理矢理な仕掛けなんですけど、登場人物がちゃんと鹿が落ちたと信じれば、お客さんも信じてくれるだろうと謎の思い込みで乗り切って。

銃で撃たれるシーンとかも、僕たちのレベルでハリウッドのスタントアクションみたいなこと無理だし、やってもつまらない。だからどうしようと思って。

最終的には赤い水を入れたビニル袋をガムテープで身体にグルグル巻きにして。上からジャケットを羽織って、撃たれたときに一生懸命叩いて潰すっていうのをやっていました。

(いろいろムチャクチャすぎて、逆に見たい)。

あと、銃で花瓶を割るシーンがあったんですけど、それも本当に割りたかったんで、銃声が鳴ったら花瓶に照明を当てて、そこに役者がやってきてナグリ(金槌)で花瓶を叩き割るっていうのを真面目にやってました。

あ、ウケ狙いとかじゃないんですね…?

と言うより、舞台上で嘘をつくのが嫌いなんです。

どういうことですか?

やってる身としては、いくら銃声がバーンッて鳴っても嘘だってわかってるから、本当の意味でビックリはできないじゃないですか。でも、田島の身体が赤く染まることは本当。だから嘘じゃないし、それに対してビックリできる。だったらそっちがいいなっていう感じで。

1回、血糊が割れなくて、必死に叩いてたら、めちゃくちゃウケたんですよ。そのときに、自分たちが嘘をつきたくなくて一生懸命やっていることが、お客さんから見たら面白いんだってことに気づいて。この『鹿、刺さる。』でやったことが、今の僕らの型になっています。

そんなナンセンスな才能を、小劇場界がほっておくわけがなかった。最初に彼らを発見したのは、初代王子小劇場(現:花まる学習会王子小劇場)代表兼芸術監督・玉山悟。ポツドールの三浦大輔ら現在の演劇シーンを牽引する才能をいち早く評価し、活躍の場を提供してきた慧眼に、劇団スポーツは認められた。

玉山の推薦を受け、佐藤佐吉大演劇祭2018 in 北区に参加。また、その直前の2017年11月に上演された『略式:ハワイ』から後に劇団員となる竹内蓮が合流。現在の体制の基盤が整った。

もっとちゃんと演劇をやらなきゃいけないし、やりたいと思った。

学生劇団ながら、名のある劇評家や演劇ライター、そして熱心な小劇場ファンまで足を運ぶなど、人気劇団へのファーストステップに立った劇団スポーツ。前述の佐藤佐吉大演劇祭2018 in 北区参加作品である『グランマに伝えて、アニーは不死身。』(以下、『アニー』)でえんぶ賞受賞。さらに2018年10月に上演した『はしらない』では2018年度佐藤佐吉賞演出賞を受賞した。人気だけでなく評価もきちんとついてきている。
だが、それと反比例するように、彼ら自身の中では戸惑いも増えた。

『アニー』に関しては、初めての演劇祭で、獲れる賞は全部獲ってやるぜっていう気持ちで乗り込んで。それがだいぶ空回ったというのが正直なところ。いちばんケンカもしたし、ピリピリしてて。

何か機嫌の悪い夫婦みたいだった。お互い思うところはあるけど、ぶつけないっていう。

そこで言うと、俺はそんな両親に挟まれた反抗期の息子みたいだった。「コイツら面倒くせえな」って心の中で舌打ちして。稽古で田島さんに「ここが全然できてない」ってだめ出しされても「いや、できてますよ」って無駄に反発したり。


不協和音の原因は、プレッシャーと力量不足。初めてスタッフを外部から雇い、学生劇団の枠を一歩踏み越えようとした。けれど、なかなか脚本が完成せず、進捗は遅れるばかり。何とか表面だけでも取り繕おうと、稽古場ではろくにノウハウもないのに、それっぽくエチュード稽古をしてみたり。あがけばあがくほど、自分たちらしさを見失った。

要は技量不足だったんです。やりたいことはあったし、今読み返すと脚本も面白いじゃんって思えるところがいっぱいあるんですけど、それを上手く見せるだけの技量があのときの自分たちにはなかった。

たとえばバスケでスリーポイントシュートを打とうと思ったら、そのための練習をするじゃないですか。あのときの僕らはその練習の方法も知らずにスリーポイントシュートを打とうとして失敗していた。

『アニー』を経験して、初めてもっとちゃんと演劇をやらんといけないし、やりたいって思ったんです。

もちろん銃で撃たれて血糊を出すのも僕らの良さ。でも、それがなくてもちゃんと撃たれる演技もできなきゃいけないって考えるようになりました。

技術を知って、初期衝動を見失った。

そこから3人はそれぞれ「修行」の場を外部に求めた。内田はDULL-COLORED POPの『1961年:夜に昇る太陽』に主演として抜擢され、谷賢一のもとで研鑽を積んだ。田島も、かねてよりリスペクトしている劇団献身の公演に客演として出演。竹内もやまだのむら、遠吠えと出演を重ね、経験を積んだ。
それぞれの「修行」の成果を見せるのが、『はしらない』のはずだった。しかし、ここでも演劇の難しさと直面する。

いろんな技術を知ったからこそ、今までみたいに「面白いな」「楽しいな」っていう気持ちより「これもやらなきゃ」「あれもやらなきゃ」って思うことの方が多くなって。だんだん息苦しくなって、ものすごく疲れた公演でした。風邪もひいたし。

お前が公演中に風邪をひくのはいつものことだよ(笑)。

今までずっと初期衝動だけでやってきたのに対し、いろんな方から「こういうところが悪いですよ」と教えてもらって。それを変えていこうとしたら、どんどんわけがわからなくなって、「初期衝動とは何ぞや?」「俺らは何が楽しくてこれをやってるんだ?」っていう状態。決して楽しくないことはないんですけど、作品として面白いかどうかは半信半疑でした。

みんなずっと「これで大丈夫かな?」って顔をしてた。何かがあるはずだけど、それがどこにあるのかわらないっていう感じでした。


きっとそれは成長痛のようなものだ。ずっと同じところに踏みとどまっていたら変化なんて何も感じない。だけど、もっと上手くなりたいと望む以上、変化は避けられない。
山を越えるには、必ずトンネルをくぐる。その先に今まで見たことがない景色があると信じて、暗く細い道を進むしかないのだ。

今はやっててすごく楽しい瞬間と、もっとできるなって悔しい思いをする瞬間のせめぎ合い。毎回必ずどこかが失敗して終わる。全部に満足できたっていうのは、まだ一度もない。

そうだね。どこかが失敗してる。

でもそのせめぎ合いがあるうちはまだまだ続けられるんだと思う。

劇団スポーツとして超絶有名になりたい気持ちは、そこまでない。

劇団スポーツは、そんな成長の途上にいる団体だ。形式としても、今のところはまだ学生劇団。ここから先のことなんて、本人たちだってよくわからない。

去年ぐらいから今後どういうかたちで活動していくのがいいんだろうっていうのは、ずっと考えていますね。

劇団スポーツとして頑張った方がいいのか。それともそれぞれがそれぞれの場所で頑張って、個々の活動を集約した方が上に上がっていけるのか、とか。

それこそ今みたいに客演を呼んでやっていった方がいいのか、それとも『略式:ハワイ』みたいに3人だけでやっていった方がいいのかもまだ悩んでいます。


悩みは尽きない。そして、それは劇団という場所を選んだ多くの人たちが通ってきた道でもある。
じゃあ、その道の先に何があるのか。これからの未来を彼らはどのように考えているのだろう。

劇団スポーツっていう枠で創作できる場所はずっと残しておきたい、というのがいちばんの気持ち。劇団スポーツとして超絶有名になりたいっていうのは、そこまでないかな。

売れたくないわけじゃないけど、旗揚げした頃から劇団スポーツっていう場所は自分たちがいちばん楽しめる“実験場”みたいなものだったから。

ずっと楽しくありたい。そうやって続けられるのがいちばんいいなって思います。

たぶんもっと前の世代の演劇人なら、劇団でメシを食えるようになること、劇団で有名になることが、ひとつの成功イメージだったと思う。でも、彼らはそんなところに頓着しない。
自分たちが楽しめること。それを見て、お客さんが楽しんでくれること。劇団スポーツの目指すゴールは、とてもシンプルだ。

演劇がこんなに楽しくなけりゃ、さっさと辞めてるのに。

だからこそ、聞いてみたかった。今はエンタメの選択肢なんて山ほどある。面白いことがやりたければ芸人になってもいいしYouTuberになってもいい。何かを表現したいならミュージシャンになればいいし、世の中を変えたいならエンジニアになればいい。
何で演劇なんだ? 何で演劇みたいに、非合理的で非生産的で、ものすごくマニアックで、世の中からカッコいいとあんまり思われていない道を、若い彼らは選んだのだろうかと。

本当言うと、第2回公演までやった後ぐらいに、やっぱお笑いやりてえんだって思ったんですよ。

ふたりで芸人になろうと。養成所も調べて、応募寸前までいって。玉山さんから声をかけてもらわなければ、お笑い芸人になってたと思います。

蓮はなんで演劇をやってるの?

何でだろうね…。

ここが言語化できたらカッコいいんだろうけどね。

でも、やっぱ本番はすごい楽しい。それがいちばん大きいかも。

一言で言えば楽しいに尽きる。演劇がこんなに楽しくなけりゃ、さっさと辞めてるのにってよく思う(笑)。

こんなに頑張ったのに全然楽しくなかったっていう公演があれば辞められるんだけど。どっかでやっぱり楽しいって思っちゃう瞬間が来るから。

その瞬間っていうのはやっぱり舞台の上。内田と蓮と3人で前のめりになって笑いをとって、お客さんがすっごい見てるなって瞬間がめちゃくちゃ楽しい。

お客さんの空気に合わせて笑いを足したりしてね。俺がボケたら田島がツッコんでくれて、それを蓮が冷たい目で見てっていう(笑)。

「またやってるよ、こいつら…」って目で見てます(笑)。

それが楽しいからやってる。もしかしたら、単純にそれだけなのかもしれません。

そうやって屈託なく笑う彼らを見て、ああ、やっぱりこの子たちをもっと応援したい、と純粋に思った。

もちろんつくる作品もとても魅力的なのだけれど、単純にこの3人がワチャワチャと喋っている。その空気感が、観客である僕をたまらなく幸せな気持ちにさせてくれるのだ。

後編では、そんな劇団スポーツの作品づくりについて掘り下げていきます。どうかもっとたくさんの人たちが劇団スポーツを好きになってくれますように。

取材・文・撮影:横川良明   舞台写真提供:劇団スポーツ

My ゲキオシ!

ウンゲツィーファ

朝まで飲んだ帰り道、忘れたくないなと思った感覚、でもいずれ忘れてしまうもの。そんな日常生活の中では雑音として消去されてしまうものを、僕らの心の一番弱いところからすくい上げてくれます。超がつくほど丁寧で、ときにラフすぎるほどラフな姿勢に、ショックを受けます。(内田倭史)

劇団献身

かっこ悪い男たちが意地汚く足掻き、3行に一個のペースで貪欲に笑いを取ってくる。ラストシーンで号泣するか爆笑するかはあなた次第。自然と脳内で銀杏BOYZが流れてくる泥臭い劇団です。(田島実紘)

Straw&Berry

ミラーボールが回り、爆音の音楽が流れ始めたと思った直後には目の前の人間が普通の声で淡々と日常会話を始めます。愛・青春・死をリアルに描き、観終わったあと心のなかにいる大切な人を思い出して胸が少しきゅっとなります。(竹内蓮)

プロフィール

劇団スポーツ

2016年旗揚げ。作・演出の内田倭史と田島実紘、プリセット確認担当の竹内蓮よりなる。別にスポーツはしません。
ワンアイデアから無理やり構想された物語と演劇の可能性を大胆に誤解した演出、脚本を無視し舞台上で思ったことを口にする俳優たちが特徴。
“わかっちゃいるけどやめられない”をモットーに「だらしなさ」をどこまでもストイックに描きます。
佐藤佐吉大演劇祭 2018 in北区にてえんぶ賞受賞。2018年10月に花まる学習会王子小劇場にて上演した『はしらない』で佐藤佐吉賞演出賞受賞。