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ゴジゲン待望の新作『くれなずめ』は、松居大悟の書き下ろしオリジナル作品だ。夕暮れどきを示す「くれなずむ」という日本語を、敢えて命令形にしての「くれなずめ」。そこには、沈みそうで沈まない太陽のような、あやふやで、曖昧で、中途半端な時間だからにじみ出てくる色や匂いや想いがある。ダメな男たちの人間描写に定評のある松居らしい、グッとくる一本となりそうだ。

ストーリー

披露宴が終わって、二次会に行くまでの、中途半端な夕暮れどき。

居合わせたのは、高校時代につるんでいた6人。

久しぶりに顔を揃えた男たちは、どうでもいい話を延々と繰り返している。

あの頃の放課後の教室と同じように。

かつて隣にいた大事な友達を思い出す、

不器用で、ダサくて、どうしようもない男6人によるノスタルジックコメディ。

見どころ

ドラマがなさそうなところにこそ、ドラマがある。ゴジゲンらしさの光る一本。

「結婚式」を題材にしながら、結婚式でも披露宴でもなく、あえて二次会が始まるまでの数時間にスポットを当てたところが、いかにも松居大悟らしい着眼点だ。舞台上に登場するのは、大々的に脚光を浴びる「主役」たちではなく、どこにでもいるような普通の男たち。彼らの、地味で、バカで、ちょっとこじらせた姿を通して、観客は笑って、ほんの少しだけ勇気をもらってきた。非効率を徹底排除し、完璧さばかりを求められる現代だからこそ、こんな曖昧で、無駄とも思える時間が、切実で、いとおしい。きっと今回もとびっきりのゴジゲンワールドで観客に笑いと共感をもたらすだろう。

初の劇団員のみの公演。このメンバーだから、できることがきっとある。

活動再開後からゴジゲンはこの6人での公演にこだわり抜いてきた。今回から、一度劇団員になったものの離脱した東迎昂史郎、それまで客演扱いだった奥村徹也、本折最強さとし、善雄善雄の4人が劇団員化。従来の松居、目次の2人と合わせ、劇団員のみで公演を行う。松居曰く、劇団員のみの公演の面白さは「全員が裸で勝負しているところ。これでダメだったらダメっていう責任をみんなが持っている」。この3年間貫いてきた6人のスタイルの集大成にして新境地を本作で目にすることができそうだ。

楽しければ楽しいほど切なくなる。今のゴジゲンのすべてをここに。

活動再開以降、本公演は『ごきげんさマイポレンド』『劇をしている』の2本。どちらもドキュメンタリーの手法を用いた、現実と演劇の境目が曖昧な作品だった。対する本作は、久しぶりに物語としてのスタイルにのっとった作品と言えよう。そういう意味では、活動休止後に新たにファンになった人には新鮮な、活動休止前のゴジゲンを知る人にとっては、これぞゴジゲンと言えるような感覚を味わえるに違いない。「楽しければ楽しいほど切なく見える感じになりそう」と松居は手応えを語る。ゴジゲンにとっても初の3都市ツアー。ぜひゴジゲンを知る人もまだ知らない人も足を運んでほしい。きっと夕暮れどきのいとしさを噛みしめながら劇場を後にすることができるはずだ。

公演詳細

■作・演出
松居大悟

■出演
奥村徹也／東迎昂史郎／松居大悟／目次立樹／本折最強さとし／善雄善雄

東京公演

■日程

2017年10月19日(木)〜29日(日)

■会場

下北沢駅前劇場　※京王井の頭線・小田急小田原線「下北沢駅」南口より徒歩1分

■チケット料金

前売3,500円　当日3,800円

京都公演

■日程

2017年11月4日(土)、5日(日)

■会場

KAIKA　※阪急「烏丸駅」23番出口または京都市営地下鉄「四条駅」6番出口より南西へ徒歩8分

■チケット料金

前売3,000円　当日3,300円

北九州公演

■日程

2017年11月11日(土)、12日(日)

■会場

北九州芸術劇場小劇場　※JR「小倉駅」南口より徒歩10分／JR「西小倉駅」より徒歩3分

■チケット料金

前売3,000円　当日3,300円　高校生[的]チケット1,000円

※高校生[的]チケットは、劇場プレイガイドにて前売のみ取扱い／枚数限定／要学生証提示

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