2016.11.24
iaku『車窓から、世界の』

- 日程
- <兵庫>2016年12月8日(木)~10日(土) <東京>2016年12月14日(水)~19日(月) <三重>2017年1月14日(土)・15日(日)
- 会場
- <兵庫>ピッコロシアター中ホール (兵庫県立尼崎青少年創造劇場) <東京>こまばアゴラ劇場 <三重>四天王寺スクエア
- チケット料金
- <兵庫・東京>前売3300円 当日3500円 <三重>前売2800円 当日3300円 ※その他、U-22割引、高校生割引あり
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- 疲労する
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- 震撼する
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- 満足する
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iakuの次回作『車窓から、世界の』の初演は、2014年。全国初の県立劇団・兵庫県立ピッコロ劇団に横山がジョイント。自ら作・演出を手がけ、本作を上演した。それを今回はホームのiakuで、演出は上田一軒にバトンタッチをし、イチから再びつくり上げていく。横山拓也×上田一軒のゴールデンコンビによる至高の問題作、ぜひ心を引っかき回されてほしい。
ストーリー
「ここで起きた人身事故も、駅一つ離れたら「迷惑」でしかなかったんかな。」
地元有志のはたらきかけによって出来た念願の新駅「東奥原」(ひがしおくばる)。
しかし、多くの住民は従来から利用していた特急が止まる隣の奥原駅から離れることはなかった。
おかげで、当初見込んでいた年間乗降利用客数には程遠く、
駅前開発は停滞、東奥原駅は地域発信型請願駅の代表的な失敗例となってしまった。
この駅のホームから中学生女子3人が特急電車に飛び込むという凄惨な事件から2週間。
今日は彼女たちがかつて所属したガールスカウト主催の「お別れ会」が行なわれる。
2014年春、ピッコロ劇団(オフシアター)初演の問題作、再び。
見どころ
知り合いが死んだ。その死を、我々はどのように受け止めるのか。
他人の死。それは、とてもショッキングで、センセーショナルで、凡庸だった日常を突如非日常に覆らせるだけの刺激を持っている。しかもそれが悲しみに我を忘れるほど身近な相手ではなく、事態や状況を適度に客観視できるだけの距離のある人物だったら尚のこと、人はそのニュースに浮足立たずにはいられない。ここに登場するのは、自殺した生徒の副担任やPTA役員など、どこか彼女たちを知っているようで知らない人たちばかり。そぞろに「お別れの会」へ向かおうとする中、電車が遅延。彼らは駅のホームで待ちぼうけを喰らう羽目となる。そこで何が語られるのか――極上の会話劇の舞台は整えられた。
関西屈指の役者が集結。軽妙な関西弁が、人間の陰湿さを一層引き立てる。
iaku常連の緒方晋を筆頭に、橋爪未萠里、木全晶子、岸本奈津枝、大塚宣幸と横山作品をよく知る名前がずらりと並ぶ中、関西小劇場界の星・匿名劇壇より杉原公輔が加わり、布陣は盤石。横山の巧妙な台詞をものにできる俳優陣が揃ったかたちだ。iakuで繰り出される会話劇は、全編関西弁。関西弁ならではのユーモラスで皮肉の利いた言い回しが、時に滑稽に、時に陰湿に、人間の狡さや愚かしさを暴き立てていく。この興奮は、手練れの役者による徹底したリアリズムがあってこそだ。会話劇ならではのシンプルな演劇の醍醐味を十二分に堪能したい。
戯曲が、社会を先行する。そんな肌が粟立つ衝撃を、緊迫の小空間で体感する。
中学生が手をつないで電車に飛びこむというシチュエーションを聞いて、何か記憶を呼び起こされる人もいるかもしれない。そう、東京の東急大井町線荏原駅で2人の女子中学生が手をつないで飛びこみ自殺を図るという、本作に非常に近い事件が現実にも実在しているのだ。しかし、その事件が起きたのは2016年6月のこと。本作が書き下ろされたのは、それから2年以上前のことだ。しばし優れた創作は、現実社会を先行するということが起こる。本作もそんな事例のひとつの言えるのかもしれない。では、実際に酷似した事件が起きた今、ここで語られる言葉はどんな意味を持つのだろう。理解し得ない思春期の闇に踏みこむ大人たちの戸惑いに注目したい。
公演詳細
■作
横山拓也
■演出
上田一軒
■出演
橋爪未萠里、木全晶子、岸本奈津枝、大塚宣幸、杉原公輔、緒方晋
<兵庫公演>
■日程
2016年12月8日(木)~10日(土)
■会場
ピッコロシアター中ホール (兵庫県立尼崎青少年創造劇場) ※JR「塚口駅」西出口より徒歩5分
■チケット料金
<一般>前売3300円 当日3500円 <U-22(22歳以下)>前売2000円 当日2500円 <高校生以下>前売・当日共500円(枚数限定)
<東京公演>
■日程
2016年12月14日(水)~19日(月)
■会場
こまばアゴラ劇場 ※京王井の頭線「駒場東大前駅」東口より徒歩3分
■チケット料金
<一般>前売3300円 当日3500円 <U-22(22歳以下)>前売2000円 当日2500円 <高校生以下>前売・当日共500円(枚数限定)
<三重公演>
■日程
2017年1月14日(土)・15日(日)
■会場
四天王寺スクエア ※近鉄・JR・伊勢鉄道「津駅」東口より徒歩10分
■チケット料金
<一般>前売2800円 当日3300円 <U-22(22歳以下)>前売1500円当日2000円 <高校生以下>前売・当日共500円(枚数限定)