2016.11.17
MCR『ミカエル』

- 日程
- 2016/12/9(金)~2016/12/13(火)
- 会場
- 下北沢 駅前劇場 ※京王井の頭線・小田急小田原線「下北沢駅」南口より徒歩1分
- チケット料金
- 前売3000円、当日3300円、平日昼割引 2500円(全席自由)
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- 溢れる言葉の洪水度
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- 会話の巧みさ堪能度
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- 肩肘張らずに観劇度
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- そこはかとなく笑える度
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- 舞台狭しと動き回る度
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- 劇後に思わず携帯の連絡先を潜ってあの頃のあいつに思いを馳せる度
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MCRの次回作『ミカエル』は、櫻井智也による書き下ろし新作だ。自他ともに認める遅筆の櫻井だけに、その全貌は依然として謎のまま。しかし、どの公演でも変わらないことは、「そこそこ面白い公演ではなく、今までで一番面白い公演を提供する」ことこそが、MCRのスピリッツだということ。決して華はないが、愛はある。そんな不器用な人間たちによるジャーマン・スープレックスホールド級の破壊力と温もりのこもったドラマになりそうだ。
アウトライン
ふと見る、ふと、ふと振り返る。
背筋が伸びる、鳥肌が立つ、そして自然と視線は降りる。
ミカエル、僕はもう君を見ることができません。
どうか、君にも、僕が見えませんように。
ミカエルくせに、そう祈っています。
「前しか見えねえ」と息巻いていた今現在後ろ向きの人生を歩んでいる人たちや、
「後悔ばっかり」と反省まみれで自らを戒めながら先を見て
宝くじを10万円分買ったりする懺悔の投資に余念がないような人たちの、
愉快な罵詈雑言に満ち溢れた「ミカエル」を追い求めるおはなしです。
見どころ
過ぎ去った美しき季節を振り返る。苦くて切ないMCR流ノスタルジア。
どんな人にも、若かりし時代は必ずあった。しかし、若さというものは本人がその希少さを自覚する前に、鼻先を猛然と駆けぬけていってしまう。だからこそ、人はいつも過ぎ去った季節を美しく想い、自分が失った若さを持っている者を眩しく見つめてしまうのだ。櫻井はそんな過去を懐しみ美化する行為を「精神的な覚醒剤のようなもの」と表現する。しかもそれが現状に満足していない人間なら尚のことだ。本作では、櫻井らしい乱暴だが愛情に満ちた眼差しで、うらぶれた人間たちの郷愁を描き切る。
小劇場界注目の実力派俳優がもたらす、新たなMCRの世界。
毎回実力あるゲストを迎えて公演を打つMCR。今回の客演陣は、川島潤哉、澤唯、後藤飛鳥らMCRとは縁のある俳優陣に、オーディションによって集められた初参加組も加わり、一層バラエティ豊かな顔ぶれとなった。この達者なキャスト勢が、櫻井智也の繰り出すパンチ力のある笑いと、罵詈雑言の中に純粋無垢な輝きをこめた台詞術をどう自分のものにするのか。大きな楽しみのひとつだ。
自分の人生も満更じゃない。劇場を出るとき、そんな気持ちになってもらえたら。
本作に向けて、櫻井は「特に芝居の印象はないけれど、次の日の朝御飯が美味しく思える芝居にできれば」と抱負を語る。この優しい視線こそが、櫻井戯曲の醍醐味と言えるだろう。人生に行きづまった人、毎日に疲れた人たち、自分自身の可能性に諦めそうになっている人。そんな人こそ劇場に足を運んでほしい。櫻井智也流のちょっとクセの強い、だけどとびきり力強いメッセージが、くたびれた心に優しく沁みこむはずだ。
公演詳細
■作・演出
櫻井智也
■出演
川島潤哉、外村道子(ECHOES)、澤唯(サマカト)、後藤飛鳥(五反田団)、志賀聖子、濱津隆之、高嶋綾香、ワタナベミノリ(ECHOES)、櫻井智也、おがわじゅんや、北島広貴、伊達香苗
■日程
2016/12/9(金)~2016/12/13(火)
■会場
下北沢 駅前劇場 ※京王井の頭線・小田急小田原線「下北沢駅」南口より徒歩1分
■チケット料金
前売3000円、当日3300円、平日昼割引 2500円(全席自由)