役者から探す
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劇団を離れ、農業の道へ。すべてを放り出した男が再び「劇団で演劇をするのが楽しい」と言えるまでの6年間。【ゴジゲン 目次立樹】
存在感のある大きな身体に、心地の良いバリトンボイス。ゴジゲンの舞台に出てるときはあまり気づかないのだけれど、面と向かって話してみると実は年齢以上にダンディで渋みのある男の人なのだということに驚く。だけど、たぶんそう伝えたら、彼はとても恥ずかしがるだろう。シャイで、礼儀正しくて、誠実。ゴジゲンを支える看板俳優・目次立樹は、そんなふうに映った。目次立樹は、主宰の...2017.10.08
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演劇がなければ死ぬというタイプじゃない。賞レースを席巻する“演技マシーン”が明かした「演劇は趣味」という独自のスタンス。【あやめ十八番 金子侑加】
“演技マシーン”――畏敬の念を込め、主宰の堀越涼は彼女のことをこう呼ぶ。Corich舞台芸術まつり2014春 俳優賞受賞。2016年度サンモールスタジオ選定賞 最優秀女優賞受賞など、その実力は業界でも折り紙付き。だが、本人はいたってサバサバとした口調で「演劇は趣味」と言い切る。あやめ十八番の金子侑加は、そんな掴み所のない女性だった。品があって、聡明で、けれど...2017.09.15
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ゲキバカ史上最も下手くそだった男が、「看板俳優」となるまでの成長記。【ゲキバカ 鈴木ハルニ】
取材の依頼をかけたとき、劇団サイドには「看板役者さんにご登場いただければ」とお願いをした。そのオーダーを受けて、劇団内では看板役者の座をめぐり争奪戦(笑)が起きたという。熾烈なバトルの結果、やってきたのはこの人、鈴木ハルニ。舞台上で見るよりずっと小柄で、舞台上で見るより一層にこやかなスマイルを引っさげ現れた看板俳優は、さてどんな話を聞かせてくれるのだろうか。2016.12.23
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櫻井さんがつまらないホンを書いてきたら解散だと思う。絶対的才能に惚れこんだデタラメで幸福な劇団員人生。【MCR おがわじゅんや】
劇団員、というのは不思議な存在だ。そもそも小劇場で活動する劇団の多くが、あるひとつの才能に磁石のように吸い寄せられて成立している。そういう意味では、この人も櫻井智也という才能に魅入られ、こうして20年以上、小劇場の世界に身を置いているのかもしれない。「櫻井さんに出会わなければ、普通の会社に入って、そこそこ出世してたと思いますよ」とは本人の弁。そんな自虐ネタに...2016.11.26
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いつ演劇を辞めてもいいと思っている。35歳・イクメン俳優の現在地。【おぼんろ 高橋倫平】
小劇場の役者にとって、生活との両立はデリケートな問題だ。好きなお芝居だけではなかなか食べていけない。年齢を重ねるごとに、社会で順調にステップアップしていく同世代との差に、焦りや戸惑いを覚えることもあるだろう。結婚や出産なんて自分とは関係のないどこか別の国の話に思えてしまうこともあるかもしれない。だが、劇団おぼんろの俳優・高橋倫平は、今や2児の父である。世空と...2016.08.25
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ただ笑わせたくて舞台に立った。生粋のコメディ俳優が行き着いた、演劇をめぐる旅の始まり。【アガリスクエンターテイメント 塩原俊之】
Twitterのプロフィール欄の肩書きは、「コメディ俳優」。単なる「俳優」ではなく、頭に「コメディ」をつけずにはいられなかった。そこに、この男の矜持がある。塩原俊之。シチュエーションコメディを得意とするアガリスクエンターテイメントの最年長であり、多くの作品で主要な役を務める看板俳優だ。目尻の笑いじわが、その印象をぐっと柔らかいものにする。語り口にも棘がなく、...2016.08.25
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泥沼の中に棲む怪物になりたい。毎月、小劇場に立ち続ける実力派俳優の未来への宣言。【X-QUEST 塩崎こうせい】
小劇場のラインナップに目を通していると、毎月のようにその名を見かける。15年の出演本数は年間13本。塩崎こうせいは近年最もハイペースで舞台に立ち続けている小劇場俳優のひとりと言えるだろう。男らしいワイルドな風貌にファンも多いが、本人は至って謙虚。自分のことを語ると、照れ臭そうに笑うシャイな一面も持ち合わせる。だが、その芯にあるのは、決してブレることのない無骨...2016.08.25
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ようやく火がついてきた気がする。成長劇団の一員が見せた密やかな変化と決意。【子供鉅人 億なつき】
彼女は、とてもピースフルな女性だった。イントネーションこそ関西弁そのものだが、話すテンポはスローリー。関西人特有のまくし立てるようなせわしなさは、まったく感じさせない。ふふふ、と笑い、答えに困れば「わからないです」とあっけらかんと返す。この街のスピードやルールにまるで縛られない、どこか別の次元で生きているような印象を受けた。彼女の名前は、億なつき。劇団子供鉅...2016.08.25
劇団の華となるのは、やっぱり役者。演技力、存在感、芝居への姿勢、観客への想い。多彩な観点から、劇団の看板役者の魅力を切り取ります。